兵庫RC(ランニングクラブ)

小学生から大人まで幅広い層のチームでの様々な連絡や報告、そして私の考え方や理論を上げて行きます。

ペース走とAT走の違い

ペース走とAT走とは、その目的が厳密には違いますので説明致します。

ペース走(テンポ走)とは、ペース設定を重視した練習です。ですから、6'00"/kmで走るペースも4'00"/kmで走るペース走も、そのもたらす効果は違ってきますが、全般で言うと同じペース走に分類されます。私がチームのメニューで組んだりするペース走はスピード系の位置付けで行っていますので、強目(かなり強目かな)のペース走となっています。

AT走とは心拍予備量(最大心拍数-安静心拍数)の40%~60%程度(私は最大心拍数の60%~80%で考えております)をついたペースで走るトレーニングを言います。感じで言いますとややキツイペースです。このペースでの状態をLT(乳酸性作業閾値:ちょうど血液中の乳酸値が上がり始める状態)から求められる事が多い事から別名LT走とも言われます。

AT走は人によっても日々の体調によっても変わって来るので、実質的なAT値を突いての走りは非常に難しい。なので、実際には「ATに近い走」と言うのが正しいかも知れません。

AT走の効果は、有酸素能力を高める効果です。ちなみにLSD(Long Slow Distance/にこにこペース)も有酸素能力を高める効果です。LSDは毛細血管の末端を開発し、体に回る血液量を増やす事からエネルギーに不可欠な酸素の運搬量を増やすのが目的な練習に対し、AT(LT)走は酸素を必要とするエネルギーへの代謝能力を高める事が目的のトレーニングです。参考までに。

ペース走とAT走は、特に私のチームではペース設定が近いので似たように思われがちですが、主旨が違いますので、誤解のないようにね。

余談ですが、私が良く言うOBLA(Onset of Blood Lactate Accumulation)は、更に血中乳酸濃度が上がり始める地点(乳酸値が4mmol)に達する地点を言います。チームの皆さんは参考にして下さいね。