中長距離について、もしどれだけ速いペースで、どれだけ量を踏んでも故障しないのであれば、VO2maxで走る事を限界まで重ねれば良い。jogなど必要ないのだ。そして翌日、又は翌々日の回復を挟んで、またそれを行う。何故なら、速いスピードトレーニングは、速筋(FG、FOG)、遅筋(SG)全てに効果が得られるからだ。速いスピードトレーニングは、まず速筋を動員し、それから遅筋への動員へと移行する。
しかし、体の筋力的メカニズムは、それ程甘くはない。そう言うトレーニングの継続は、100%故障へと繋がる。
では、故障を抑え、効率良くトレーニングをする為にどうすれば良いのかと言うと、あらゆるスピードでのトレーニングをする必要性に突き当たる。
LT(乳酸性作業閾値)以前、以後~OBLA手前、OBLA前後、VO2max付近のトレーニングだ。
それは、スピードと血中乳酸濃度の関係で分割出来る。そして、トレーニングでの肉体全ての回復、筋力の超回復を含めて、バランスが重要性を増す。
jogは必要である。速筋回復の期間のトレーニング、速筋の使用を抑えて遅筋の向上に効果を得られるためだ。速いスピードトレーニングは、速ければ速い程速筋から動員される。その為、速いスピードトレーニングは必要だろう。が、しかし、量は踏めず遅筋への向上を抑える。そこで、注目を得るトレーニングがLT値付近のトレーニング、OBLA(LT2)手前のトレーニングである。この値でのトレーニングは、乳酸発生からも理解できるように、速筋は使われ、速筋の強化(スピード強化)、量が踏める事による遅筋の強化をも得られるのだ。
しかし、閾値トレーニングには通常、遅筋から速筋の動員が開始される為、量を踏まないと速筋への効果が発動しにくい。その為に量を踏んで行かなければならない。そうしないと速筋への効果は薄い事となる。そして、特に筋肉へのトレーニングについては、斬新性の原則があり、同じ質量でトレーニングを滞留してしまうと効果が徐々に下がってしまうのだ。
そして、今世界でトレンドとなる二重閾値についてとなる。私は、乳酸性作業閾値の変化グラフから示す各段階からを考えると、トレーニング可能であれば、LT値付近とOBLA(LT2)付近、この二種類をやって行く事に重要性を感じる。
ただし、難しい。速筋疲労、回復期間、遅筋と速筋のバランス、斬新性、を考えると一筋縄ではいかないものだとも思っている。それでも海外のトップランナーの一部がそれを行うのは、それを上手く行う先に、効果と言う旨みがあるからだろう。
こう言った考え方に批判的な意見が出てくるのも分からずはない。何故なら、それくらい難しいトレーニングだと私も思うからだ。しかし、それを全否定する事は、実際行って結果を出している選手もいるので、どうかだと思うのだが…。