兵庫RC(ランニングクラブ)

小学生から大人まで幅広い層のチームでの様々な連絡や報告、そして私の考え方や理論を上げて行きます。

衰えと闘う

指導方法やトレーニング理論、それらの中心は体のピークに向かって右肩上がりの若年層の競技者に用意された物がほとんどだ。

 

それに引き換え、私を含めた体力の下り坂を迎えたランナーには、確立されたトレーニング理論はない。

 

それもそのはず。体力の落ち方は緩やかな人もいるし、急激な人もいる。分からないが、きっと落ちやすい部位も違うはずだ。だから1人1人が、どうトレーニングと向き合うかも違ってくるはずだ。

 

それぞれが、経験をもとに手探りでトレーニングを模索し、内容を決め、それを実行していると思う。

 

ここで、私自身の衰えについて考えてみる。

 

体力全てが衰えるのは当然だが、その中でも3点、最大心拍数の低下、柔軟性の低下、大臀筋とハムストリング(後ろ腿の筋肉)の低下が特に感じる。

 

これはいわやるスピード低下の要因です。私はこの部分の強化を図ったトレーニングを積極的に取り入れ、高めていかなければならないのだと思うのです。

 

まず、最大心拍数の低下について考えてみる。最大心拍数が下がるとスピードを上げてのスピード維持する力が低下する。何故なら、スピードを上げ、維持していくにつれて心拍数は上がっていく。体内に流れる血流を速くしエネルギーに必要な酸素の運搬を高める為だ。しかし、年齢とともに最大心拍数は低下する。そうすると、心拍が最大に到達した際に、体内の酸素運搬が追いつかずエネルギー変換が遅れる。体は本能的に心拍内で収まるスピード維持に努める。だとすれば、一回の拍動で流れる血量を増やす為のトレーニングを取り入れなければならない。

 

VO₂Max(最大酸素摂取量)近くまで上げきるトレーニングが効果的かと思います。基本スピードトレーニングになる訳で、タイムトライアルやレペティション、我がチームのメニューであれば800m坂TTやロング坂ダッシュが該当するかと思います。ただこれらのメニューは、血液の酸性化や足への衝撃など体への負担も高い為、行うとしても週に3回までかと感じます。

 

次に体の柔軟性の低下について考えてみる。年齢とともに使わない体の箇所は筋肉が硬化してその箇所の柔軟性が低下する。低下すると可動域も狭まる。ストレッチやマッサージ、そして体を伸ばす動きを時間と日数を掛ければある程度回復はします。

 

しかし、体の筋肉を伸ばせるだけ伸ばせば良いと言う訳でもない。必要限の筋肉を伸ばし必要とされる可動域を確保する事が重要なのです。何故なら、スピードを上げる為に可動域だけでなく、体を固めて(筋肉や骨格がロックした状態)地面からの反発を得る事も重要なプロセスだからです。そして、柔軟性を高め過ぎると筋収縮率が低下する。更に、伸ばし過ぎると、足がリーチアウト(着地時に着地した足が体の真下より前に着く事)する可能性が高まる。そうするとランニングエコノミーが悪くなったり、足を痛める原因にもなります。

 

ですから、必要な箇所を必要な分だけストレッチやマッサージ、そして動きづくりで筋肉を伸ばし、必要最低限の柔軟性を高める事が大切です。

 

それをする為には、自分の体を知る事が重要になってくるでしょう。何処を伸ばすべきか。何処まで伸ばすべきか。これこそ、手探りで、自分の感覚の部分も大事にして少しずつ少しずつゆっくりと自分のベストポイントまで柔軟性を高めるのです。

 

そして、大臀筋とハムストリングの低下についてですが、これが低下すると、走る動作に必要な地面を押す力が弱くなる。弱くなれば、当然地面から受ける反発が弱くなる訳ですので、スピードの低下につながる。けれども、筋肉の細胞は年齢とともに減少し、細くなる。

 

なので、その部位の筋肉の細胞が減少し細くなった筋繊維をトレーニングで鍛えて太くする必要性はある。我がチームのメニューであれば、クロスカントリー走や、坂ダッシュ、800m坂TTと言った所か。筋トレ要素だとスクワットを加齢とともに取り入れる必要性もあるだろう。ただし、スクワットのみの場合では出力は上がりますが、スピード力が上がる訳ではない。スピード力を上げるには、尚且つ神経系の伝達を高めるトレーニングも合わせて取り入れる必要がある。流し(ウインドスプリント)や加速走、ダッシュ系のトレーニングなどです。

 

今述べたこれら3点の落ち込み要素を改善するトレーニングを取り組む事が、私の走るパフォーマンスの低下を抑える方法だと私は感じます。

 

しかし、これはあくまでも私が衰えを感じる所です。人によっては違う箇所の衰えも感じるはずです。それでも、私の落ち込み要素に該当される方も多いかと思うので、当てはまる方は一度参考にしてみてください。