兵庫RC(ランニングクラブ)

小学生から大人まで幅広い層のチームでの様々な連絡や報告、そして私の考え方や理論を上げて行きます。

兵庫RCの練習メニューの主旨

兵庫RCでの練習メニューでオーソドックスな練習メニューや特異な練習メニューについて、これまで詳しくメニューの主旨について、説明をしていませんでしたので、お伝えしようと思います。

 

A.ジュニアチームとシニアチームの練習

【全体練習会での考え方の中心】

日曜日や祝日が練習日の中心になっております。時間が掛かるが週に取り組みたいメニュー、普段日常では取り入れられない必要であろうメニューが主体となっております。

 

①90分主体のロングjog

jogは競技を行う上で、必要不可欠なメニューです。酸素摂取量を高め、有酸素能力を高める為に行います。また、ペースを抑えれば筋疲労の回復に、ペースを上げれば心肺機能も高めます。ロングで行うのには、遅筋を高める目的、走るリズム(テンポ)を掴んで走りを楽にする目的もあります。長く走るのは、足の骨への負担が大きいと言われる方もおりますが、骨は軽く刺激する事で刺激された所が強くなろうとする機能があります。ですから、適度な長いjogは高い負荷の掛かる競技を行っていく上では必要です。そのjogでも、兵庫RCでは芝生や砂浜を中心に行いますが、それは地面が柔らかい事により、足への負担の軽減、地面を押す走りを自然に身につける、ボディーバランスを高める目的の意味で行っています。

②120分LSD

LSD(ロング·スロー·ディスタンス)は超ゆっくりで走る練習メニューです。主旨は超ゆっくり走る事で、毛細血管の末端を伸ばし拡げるのが目的。そうなる事で血液が取り込む酸素量を増やし、酸素を必要とする走る為に必要なエネルギー量を増やします。それはいわゆる、有酸素能力を高める結果となるのです。簡単に言えば、エネルギータンクを大きくすると言った所でしょうか。また、LSDにはエネルギーとなる脂肪の燃焼率を高める効果もあります。それは、体を太りにくい体質に改善するとともに、使えるエネルギーになるものを増やす燃費の良い体に仕上げるのです。

③50分~60分クロスカントリー

兵庫RCで行うクロカンは世間で言うトレイルに近い練習です。急激なアップダウンの起伏かつ不整地を使う事で、心拍数の上げ下げを大きくするインターバルトレーニングやウェーブ走(変化走)に近い効果や、インナーマッスルである腸腰筋や腹筋や背筋強化と不整地でのスムーズな体軸移動によるボディーバランスを高める効果、スピードを上げるのに必要な臀部やハムストリング(特に臀部)の筋力強化にも繋がります。不整地で走ると言う事は一定の走るリズムが取りにくい為、そこで走る事はリズム力も高める効果もあります。

④60分~70分のヒルランニング

兵庫RCでのヒルランニングは世間一般でのクロスカントリー走、略してクロカンと同じです。ヒルランニング(ヒルラン)はヒルレーニングの色々なドリルを含めた動きを、細かく考えず、単純にランで自然と体に浸透させるのが目的です。ヒルランニングと言う名前自体も私独自の言い回しと言っても良いかと思います。トレーニングの効果は、ほぼほぼクロカンと同じですが、アップダウンの起伏が小さい事と芝生の足への負担が優しい事から、ハードに追い込む事も可能で、より心肺機能を高めるスピードトレーニングに近い練習にする事が出来ます。

ヒルインターバル

ヒルインターバルはスピードトレーニングです。普通一般に平地で行うインターバルの効果は心肺機能を高めますが、それプラスより走りに必要な筋力(臀部やハムストリング)に負荷を掛けると言った筋力強化も兼ね備えています。

⑥AT走( LT走)

AT値(無酸素性作業閾値)は心拍数が徐々に上がる中で、エネルギーに必要となる酸素が取り組みにくくなり、酸素を使わない無酸素エネルギーを使いだす境界線と言った所です。そのラインに近い前後でのペースで走るペース走をAT走と言います。AT値をきっちり掴むのは、年齢や環境、気象状況、体調によっても変わるので、とても難しいです。なので、自分にとって感覚でややきついペースを設定し、正確にはAT気味走と言った感じで行っています。その練習の効果は有酸素エネルギーに必要な酸素の運搬効率を高め、有酸素能力を高める効果です。LSDが酸素のタンクを大きくするのに対して、AT走はエンジンの性能を上げると言った所でしょうか…。

⑦800m坂TTや坂ダッシュ(ロング)

この練習は練習最後の補助練習(略して補練)として行っています。走る中で、心拍数が上がって行くと無酸素エネルギーを使い始め、その後急激な無酸素エネルギーを使う域に達します。その地点をOBLAと言うのですが、その地点に到達し、その地点の中で走る練習が、この800m坂TTや坂ダッシュ(ロング)です。この練習の効果は、OBLAの中で苦しみながら走る事で耐性を高める事です。そうする事でレースでの駆け引きの中や終盤戦での粘りが増すようになるのです。

 

B.小学生教室の練習

【全体練習会での考え方の中心】

軸は楽しく走る。成長に阻害の無い程度で、有酸素能力を徐々に高めていく練習メニューを中心に、トータル的かつバランス良く運動能力を高めていく。

①40分jog

有酸素能力を高めるのが狙い。成長を阻害しないよう無理の無い最低限の時間を設定。主に芝生や砂浜を使い、インナーマッスルを始めとした筋力も無理の無い程度に高めています。

②30分クロスカントリー

兵庫RCのクロカンはトレイル。しかも、小学生のクロカンはジュニア·シニアチームよりわざとアップダウンの起伏の大きいコースを利用しています。それは、有酸素能力を高めるとともに軽く自然を利用した筋力アップを図るのが目的です。

③40分ヒルランニング

ジュニア·シニアチームの時にもお伝えしたように、ここでのヒルランは世間でのクロカンです。足に優しい芝生の丘を利用する事で、有酸素能力、筋力アップ、ランニングフォームの修正を目的にしております。

④流し(ウインドスプリント)

小学生には理解が難しいのでダッシュと言っておりますが、正確にはダッシュとは違います。一般的にランニングフォームの確認や走りのキレを確認するのが流しですが、小学生教室の中では速い動きで神経系を高める事が中心になっています。

⑤階段式スピードラダー

こちらも私が個人的に考えた合成語です。一定の間隔の階段を使う事により、走りのリズムを掴んでもらうのと、足で地面を押す感覚を自然に身につけてもらうのが目的です。

⑥動きづくり3種目

動きづくりにはたくさん種類がありますが、小学生が理解出来る範囲内を考え、行っているのは、スキップ、ギャロップバウンディングの3種類だけにしております。これらの目的は、走るリズム、体の真下に着地、地面を押す、体を大きく使うの4点です。

⑦遊びトレ

この練習は、遊びを通じて自由に体を動かすのが目的。遊びには、神経系の発達、時には瞬時に考える能力が養われます。この練習が小学生にはある意味一番必要だとも考えています。

 

これらの兵庫RCの練習メニューは、各年代に必要だと思って考えたメニューです。これからも固定概念にはとらわれず、効果を発揮する為に行ってみたいと思われるメニューが生まれたら迷わず試して行きたいと思います。