兵庫RC(ランニングクラブ)

小学生から大人まで幅広い層のチームでの様々な連絡や報告、そして私の考え方や理論を上げて行きます。

各段階での練習形態について

各段階と言うか年代に応じたトレーニングは必ずありますし、その年代に合わせてトレーニングは変えなくてはいけません。

小学生時代について
体は成長中で弱い状態、精神的にも幼く弱い。スムーズに成長を促す事が最優先である。そして、この年代で運動能力として伸ばせるのが、神経系の発達、次に有機酸素能力である。

やってはいけない事
①スピード練習…心身への負担が大きい。情緒不安や、成長の抑制に繋がる。
②過度の路面の堅い場所での練習…反発への足への負担が大きく、膝関節の使い方が堅くなる。
③筋トレや補強運動…成長で骨が大きくなろうとするのを抑制してしまう。
④過度のエネルギーを消費する運動…体の小さい小学生、大人と比較して燃費は良いものの使えるエネルギー量は大人に比べては少ない。過度のトレーニングは適量以上のエネルギーを消費し、その不足分は体の骨から補おうとします。

効果が大きい事
①クロストレーニングや普段の外での遊び…神経系が発達そして形成されるこの時期、偏った運動だけをするのではなく、様々な運動や動きをするだけで、その後の体への伝達速度や動き(運動神経)が違ってきます。
②適量な有酸素運動…ゆっくりのjogやAT閾値を高めるAT走などは有酸素能力を高める効果がある。これらは、早ければ早くから始める程、その力はその後に大きく影響する。また、軽い足の骨への刺激が、足自ら防衛反応により強くする。

中学生時代について
体の成長が一番大きい時期、心よりもまず体が大人へと変調する時期。なので、骨は弱く、通常生活で消費するエネルギー量も大きい時期、そして肉体的成長に比べ心が追いついていない状態ですので、アンバランスさから情緒不安定な時期である。能力的には有酸素能力が一番伸ばしやすい年代である。

やってはいけない事
①過度なスピード練習…スピードを高めて行く上で、ある程度のスピード練習は必要となる。しかし、過度なスピード練習は足への衝撃が大きい事から、まだまだ弱い体ですので、故障へと繋がる。それと短いからエネルギー量が少ないと言う訳ではありません。短くても大きな力を要するトレーニングは、トレーニング中、そしてトレーニング後もそのエネルギーは使われる訳で、体内のエネルギー不足を助長する恐れがある。
②2日以上続けてのハードなトレーニング…体の回復が速い中学生とは言え、疲労が回復するのに48時間は要します。続けてのハードなトレーニングが積み重なると、疲労による体のダメージは少しずつ蓄積され、やがて故障に発展します。
③過度な筋トレや補強…まだまだ成長段階なので、過度な筋トレや補強は体の成長を抑制してしまう。
④頻繁にレースへの出場…練習の一貫のようにレースへの出場は、心身共に大きなストレスが生じる。そして体が強くない中学生には、大きな故障へと導く。

効果が大きい事
①jog、LSD、AT走…有酸素能力が伸ばしやすい年代ですので、有酸素運動を行うjogやLSD、AT閾値近くのペースで走るAT走などで、有酸素能力の量と質を高め易い。

②ランニングフォームの改善…経済的な走り方(ランニングエコノミー)などの技術的な要素は、フォームがまだ未完成なこの時期には、変えていき易い。

高校生時代について
体の成長は安定期に達する。心の方も徐々に落ち着き、大人へと進んで行く。要するに、ある程度負荷の掛かるトレーニングをこなせる段階である。

やってはいけない事
負荷の高いトレーニングの連続…負荷の高いスピード練習は、ある程度出来るだけの体にはなっております。しかし、回復を考えずに弱い強いだけの変化の練習を連続で続けて行けば故障を引き起こす可能性が高くなります。例えば、スピード練習→速いjog(挙げ句にラストfree)→スピード練習→速いjog、こんな感じのメニューの組み方です。

効果が大きい事
スピード練習の質量を上げる…今までの話しとは逆に、ここまで来るまでに有酸素能力の開発をシッカリと行っていれば、ここから負荷を強めて行くスピード練習に体が対応でき、大きな効果を生み出す。

大学・社会人時代について
20代半ばまでは、成長も止まり、肉体的にも精神的にも安定期に入る。それを過ぎると、徐々に体の衰えから緩やかな体力の低下へと進んで行く。

やってはいけない事
①無理し過ぎないトレーニング…年齢を重ねれば重ねる程、疲労回復に時間を要する。なので、スピード練習の連続や、度が過ぎる走行距離は故障のもと。
②回復を優先…体調不良時の練習は2次、3次の故障や病気、内臓疾患を伴うので、回復するまで無理はしない。

効果が大きい事
①体のケアを入念にする…練習後の疲労回復が大きく左右する為、練習後の体のケア(アイシング、ストレッチ、マッサージ、温浴)を入念に行う。
②体調に合わせた練習メニュー…練習メニューについては、予定通りに徹するのではなく、その日の体調に合わせて変更する。
③筋力維持的なトレーニング…フラットな場所での練習のみを行うのではなく、クロスカントリー走やヒルレーニング、トレイルラン、砂浜jogと言ったアップダウンのある不整地で行うトレーニングが、体幹維持や走る筋力を維持又は伸ばす事で効果的である。

このように、各段階には各段階に応じたトレーニングの組み方があると言う事です。終始一貫体制である兵庫RCでは、他では出来ないスムーズなトレーニング移行を可能にしております。