兵庫RC(ランニングクラブ)

小学生から大人まで幅広い層のチームでの様々な連絡や報告、そして私の考え方や理論を上げて行きます。

こんな中学の長距離指導者は危険

中学の長距離指導者で結果を残していても、教え子の将来を終わらせてしまう危険な指導者がいるので注意した方が良い。その典型的なタイプを上げてみます。

①週のスピード練習がやたら多い

1日のポイント練習(スピード練習)は2日、多くても3日で充分です。週に4日も5日もする所では故障者も多いはずだ。確かにスピード練習は記録を伸ばすのにもっとも効果的だ。ただそこには、体への負担、精神的な負担も大きいのが事実。トレーニングには必ず回復日が必要。回復が追いつく間もなく、次のスピード練習を入れる事で心身ともに疲弊をきたし、オーバーワークとなり、故障を引き起こす。高校でもまだまだなのですが、中学生はもっと体が成長し変わる時期なので、体も心も丈夫ではない。ですから、オーバーワークによる心身の疲弊はその後の競技人生にも良い影響を持たらしません。特に心の疲弊はその後の競技人生を終わらせる可能性も引き起こします。余談ですが、大学や社会人、一流アスリートでもポイント練習は週に2日又は3日です。

②ロードを多用する

ロードは、硬く反発が高いので、走りやすくタイムも出しやすい。逆に言えば、体への衝撃が強く、足への負担も高い。先程言ったように、中学生の体は成長期なのでそんなに丈夫ではありません。ロードでの足への負担が故障を引き起こすリスクはかなり高い。ましてやロードでスピード練習、もっと最悪なのはロードでのタイムトライアルは指導者が教え子の体への負担を何も考えていない証拠です。残念な指導者は目に見えるタイムばかり気にする傾向にある。硬いロードより柔らかい土や芝生の上で走る方が、タイム的には落ちて当然です。しかし、現実は力が変わった訳ではありません。いや、逆に地面への反発が少ない分、地面をとらえる(押す)動きは養えるはずです。

③がむしゃらに追い込む事が速くなると言う考え

何度も言いますが、中学生の体は成長期で不安定です。心身ともに疲弊すると成長を阻害する可能性が高まります。中学生は体の成長を先ずは促す事が大切なんです。体の成長に合わせたトレーニング、それが大事であり、量や質を追い込み過ぎるトレーニングは指導者のエゴ以外何ものにもありません。もし、トレーニングの負担により体に弊害が起きた場合どうするのだろうか。責任の取れない指導は指導ではない。

④故障者のフォローがない

万が一故障者が出た場合、故障した者はいつ治るか分からない不安が心に潜みます。そんな教え子を指導者がどうフォロー出来るか。それこそが、ある意味本当の指導者像だと私は思います。逆に故障した追い討ちを掛けるように罵る指導者は、クズ以外何者でもありません。まあ、中学生で成長痛以外の故障をする事自体、トレーニングのやり過ぎなんですが…。

⑤jogを軽視する

jogは地味で効果が表に現れにくい。そして時間が掛かる。だから、無駄だとか、時間短縮の為だとか軽視する指導者も多いはず。またjogだと言って速いペースばかり走らせる指導者もいるでしょう。速く走らなければ速くなれないと間違った考え方でいるのでしょうね。しかし走りのベースになるのはjogです。jogで体を作り、時には有酸素能力を高め、時には疲労回復を促す。とても重要なトレーニングなのです。

 

これらを行う指導者は、本当に子供多の未来を考えているのか疑問ですね。自分の実績づくりの為に子供達が犠牲にならない事を祈るばかりです。中学時代速かった子が、高校・大学になったら伸びない、高校・大学で辞めてしまう。そんな子供達が多いのが現実です。その子の素質の理由をする前に、まず自分が指導者として子供達の将来を考えた指導が出来ているか問うべきではないでしょうか。