兵庫RC(ランニングクラブ)

小学生から大人まで幅広い層のチームでの様々な連絡や報告、そして私の考え方や理論を上げて行きます。

ランナーの食事

ランナーの記録の向上にはトレーニングだけをすれば良いように思われがちです。しかし、実際には色々な要素が総合的に入り交じって、記録は向上するのです。


・トレーニン
・必要な栄養摂取
疲労回復(マッサージ、ストレッチ、睡眠)
・メンタル強化
・レース設定
・当日のコンディション
その他にも、体のバランスや可動域等々…。
その中で今回は、栄養摂取の為の食事についてお話したいと思います。
小学生・中学生のランナーにとって食事で栄養をとる目的は2つあります。
・体の成長をスムーズに促す目的の為。
・トレーニングでダメージを受けた体(筋肉・骨・腱・内臓)の回復・向上と減少したエネルギーの回復の為。

 

1.10~12歳(小学生)のスポーツと食事
1日3食、規則正しく食べる習慣を身につけることが、将来にわたり健康的な生活をする基本です。朝食を食べない子が多いようですが、朝食をしっかり取ると血糖値が上がり、頭や体が目覚めて活動が活発になります。身長が伸びる時期は、牛乳、乳製品、小魚、海藻類などカルシウムの多い食事を心がけましょう。たんぱく質を含む魚、肉、大豆、大豆製品やビタミン類を含む野菜もたっぷり取りバランスの良い食事づくりが必要です。

 

2.13~15歳(中学生)のスポーツと食事
この時期は成長が著しい
とき。女子に一歩遅れて男子の成長が高まり、1年で10cmも伸びることが少なくありませんが、個人差も大きい時です。過度の筋肉トレーニングは、かえって関節に負担がかかり、疲労性骨折をおこしかねません。また、骨や筋肉の成長による発達の妨げになりますのできをつけなければなりません。
1日3食規則正しく食べる習慣を身につけることはいうまでもありません。身長の伸びが激しいこの時期、睡眠中の成長ホルモンの働きに合わせて、夕食にたんぱく質、カルシウムに富んだ食事を心がけること。もちろん栄養的に偏らないようビタミン、ミネラルの多い野菜類も取りましょう。女子の場合は初潮がはじまると、鉄欠乏性貧血になりやすいのでレバー、牛肉、マグロ赤身、ほうれん草などを食べるようにすることです。また、ダイエットへの関心も低年齢化し食べる量を極端に減らす場合があります。月経が止まるなど危険信号となってあらわれますから、注意が必要です。身長はひょろひょろ高いのですが、精神的に不安定な時期。過度のプレッシャーは食欲不振や拒食、多食にもなりかねないデリケートな状態にあります。習慣化しないよう気をつけることです。


3.陸上長距離に必要な基礎体力と食事
継続的な運動時間が長く、運動量も多くなりますから、持久力アップの食事を心がけることです。エネルギー源になる糖質をしっかりとりましょう。ご飯、パン、麺類を3食ともしっかりとりたいものです。
走り込みの時はエネルギーを多く必要とします。血液は摂取した栄養分と酸素を筋肉に運び、それを燃やし続けてエネルギーを出しているのですが、どれだけ燃やし続けられるかがスタミナの有無で、能力の差となります。酸素は血液中の赤血球により運ばれますから、赤血球の材料である鉄を多い目にとらなければなりません。赤血球の材料となるたんぱく質も、同時にとるようにしましょう。鶏レバーなどは最適な食材です。
また、エネルギー燃焼にビタミンB1は欠かすことができませんがビタミンEも忘れてはなりません。エネルギー燃焼に必要な酸素は体内に過酸化物というサビも同時につくりだします。サビを抑えるのがビタミンEです。筋肉に運ばれた酸素が細胞膜を通り貯蔵されるのに、酸素はその細胞膜を傷つけてしまいます。練習中は酸素をたくさん使いますから、できるだけサビを少なくすることが必要です。また、ビタミンEは血液の循環を良くする働きもあります。サバ、イワシ、ごま、ナッツ類を小まめに取りましょう。

 

4.栄養素の作用と主製品
カルシウム…骨の形成に必要。(ビタミンDも一緒に必要)
牛乳、小魚、海藻、大豆、大豆製品、緑黄色野菜

たんぱく質…血液や筋肉をつくる主成分。
肉類、魚介類、卵類、大豆、大豆製品、牛乳、乳製品

糖質…体内のエネルギー源の主成分(ビタミンB1も一緒に取りましょう。)
ご飯、パン、麺、芋、ハチミツ、果物、砂糖

鉄分…血液中の赤血球の成分の1つ。(同じく成分の1つたんぱく質も一緒に。)
レバー、魚介類、大豆、緑黄色野菜、海藻

ビタミンA…発育を促進、肌の健康を維持、細菌から体を守る働き
肝油、バター、牛乳、乳製品、鶏卵。ほうれん草、
豚レバー、うなぎ、緑黄色野菜

ビタミンB1…糖質がエネルギーになるのを助長。
穀類の胚芽(米なら糠の部分)、豚肉、レバー、豆類

ビタミンB2…健康維持を助ける栄養素。糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーにするなどの代謝を支える。
レバー、うなぎ、卵、納豆、乳製品、葉菜類

ビタミンC…精神的、肉体的ストレスを解消
果物(柑橘類やイチゴなど)、野菜、芋

ビタミンD…カルシウムの吸収に必要。
魚介類、卵類、キノコ類

ビタミンE…体内の脂質の酸化を防ぐ
ナッツ類、植物油、魚介類(うなぎ、タラコ等)、西洋カボチャ、アボカド

補足…走ることと体の成長に必要な栄養素だけをピックアップして書き出しました。もちろん、その他に栄養素は色々あります。

私個人的な意見として、栄養素の全てを神経質になって摂取しようとなると疲れますし、長続きしません。私の場合は普段の食事+野菜ジュースと牛乳を取り、それで摂取できない栄養分は意識だけして、取れる時に取るように心掛けております。サプリメントで栄養を取ることもできますが、基本的には食事で栄養を取ることが大事です。どうしてもサプリメントで栄養を取るのであれば不足がちな栄養のサポートまでにしておきましょう。サプリメントのとりすぎは肝臓など内臓に逆に負担がかかり悪影響となります。

 

注)過去に作成したジュニア用資料より