長く競技を続けていると必ず訪れるのが、競技に対する行き詰まりです。頑張っているのにタイムが出ないと感じたり、そして競技=タイムの向上だけを考えている方にとっては走る事が楽しくなります。そして競技を止めてしまう方も…。
今そう感じている方は、一度考えてみて欲しい。本当に考えられる事は全てやっているのかと、そして本当に頑張ったのかと。ありとあらゆる事を探究し、実践していく事も競技の楽しさの一つでもあります。
記録向上=やらされているトレーニングだけと考えている方は多いのではないでしょうか。
実際には、色々な要素が交わって記録は向上します。
列挙しますと、トレーニングの意味を学ぶ、効果的なトレーニング、トレーニングのバランス、筋力の回復(疲労回復や超回復)、体のバイオリズム(ホルモンバランス、生理等)、メンタル的なダメージの回復、メンタルの向上、栄養のバランス、ランニングフォームの改善、可動域の改善や柔軟性のバランス、体の成長や体重バランスなど。
これらだけを見ても、記録向上の為に色々な要素があるのに、それら一つ一つの要素の中には、更に細かい複数の手段がある訳です。
果たして、頑張ったと思って行き詰まりを感じている方はこれらの事を全てやりきったと言えるのでしょうか。
全てを追究仕切った、おそらく、そう言う方はいないに等しいはずです。
精神的にしんどい、楽になりたいと言う心が折れている方のほうが多いのではないでしょうか。
まずは、「克己」、己に克つ事を努力し、色々な事を勉強し、試してみてはいかがでしょうか。
全てをやり尽くしても駄目な時、その時走る事が楽しく無ければ競技を辞める事を考えてみる、それでも遅くはないと思います。
走りでタイムを詰める事は、簡単なようで奥が深い。情報全てが正しい訳では無いし、走りに関する事を「点」と言う断片で捉えると無理やズレが生じます。全て「線」として連動して捉え無ければ行けないのです。今日の正解が明日の不正解になる事もいつ起こりうるか分かりません。だから考え、だから楽しい訳でもあります。
こんな私みたいなオッサンでも勉強をし続けて、色々と自分で試している訳ですから、現役競技者の若い君達は、壁にぶち当たった時に簡単に諦めず、そんな時こそあらゆる事を探究し、そして試し、試練を楽しんでもらいたい。
私は指導者として、そして一人のランナーとしてそう願いたい。
とにかく、まずは諦めずにやりなさい。