兵庫RC(ランニングクラブ)

小学生から大人まで幅広い層のチームでの様々な連絡や報告、そして私の考え方や理論を上げて行きます。

日本人が世界に通用する為には

今回の世界選手権は、中長距離は日本人の惨敗です。これが日本人の今の実力です。競技意識の高い子は小学生でスピードだけを追い込んで潰し、残った選手は個人より駅伝と言う組織のもと、現状に甘んじ、輝くチャンスを失っていったのです。成長段階である中学時代に全国大会があるのも日本だけのようですし、高校でも全国大会がある国は稀なのではないかと思います。ケニアエチオピアにそんな大会があるように思いません。日本は、選手の育成のやり方がイレギュラーだと言う事が分かるし、今の結果を見てもそれが正しくない事が分かるはずなのに、正そうとはしない。

今までの現状は、人種による身体能力の差だけだと捉え、改善しようともしませんでした。でも実際に、今回の世界選手権は白人を含む欧州勢には目を見張るものがあります。決して東アフリカではなくとも、人種による身体能力的差が全てではない事を証明した結果となったのではないでしょうか。

今までのやり方では世界に通じないと分かった以上、180度競技への向き合い方を変えるべきだと私は思う。小学生から競技にどっぷり浸かり、中学生から全国大会や全国駅伝を目指してガンガン練習を積み、高校生で強豪校に入る事で全国駅伝主体の考え方、大学では全ては駅伝の為だと言う考え方、最終形態は実業団と言う形で個ではなく団体としてニューイヤー駅伝を目指す。団体の為の個という競技の形、これに変えなければいけない。

例えば、小学生の陸上クラブの廃止、かけっこクラブ又は総合運動クラブのような形をとり、中学での大会は県までに留め、高校駅伝の廃止、大学では駅伝主体でない環境作り、その為には全日本インカレ以外に全日本大学クロカンや全日本室内インカレ、全日本大学ラソンなどの大会更には800mと1500mと5000mと10000mの4種競技なども有りなのかなと思います。日本にだけ存在する実業団制度を廃止し、クラブチームをより活発化する事で、企業とはスポンサー関係として互いがイーブンな関係を気付く。

これだけ変えれば、何かが変わってくるはずだ。もしかしたら良くなるのではなく悪くなるかもしれません。でも、そうなればまた違うやり方を試せば良い訳だ。本当に悪いのは、何もせずに現状に甘んじ、ズルズル世界から取り残される事です。

技術的な面でも変える事は沢山ある。大抵の方の練習の取り組み方は、小学生はドリルとスピード練習中心、中学生はスピード練習オンリー、高校生は更なるスピード練習にプラス少し距離も踏みつつ、大学では距離を一気に増やす。このやり方で、高校まで世界に通用する選手づくりは出来て来た訳だ。しかし、その後が全く世界に歯が立たない。下地づくりが浅く、開花が早いからであろう。小学生時代のゴールデンエイジ、プレゴールデンエイジは1分でも1秒でも多く遊べる環境作り。中学生はランニングと他のスポーツとの積極的併用によるクロストレーニングの確立。今新たに想像している高校生のトレーニング方法は、ATレベルのトレーニングの積極的活用です。通常練習メニューの組み立て方は、ポイント練習(スピード練習)週2回~3回、イージーラン(休養的jog)週2回、ファルトレクやクロカンなどの特殊トレーニングが週1回、残りは距離走やロングjogと言ったメニューに回しています。これがごく一般的です。これを、イージーラン兼ロングjogで週2回、特殊トレーニングを週1回、残りの4回をATレベルにまで落としたペース走やインターバルなどのスピード練習に変えてしまう訳だ。疲労の度合いに細心の注意は必要となってくるが、これを可能にすれば、高校生からのかなりのスピード強化へとつながります。この練習を積極的に取り入れているのが、ヤコブインゲブリクセンであり、指導者であるその父親である。

これらは、これからの日本にとても参考になるやり方であるので、積極的にこう言った練習形態にシフトしていくべきだと私は考える。