兵庫RC(ランニングクラブ)

小学生から大人まで幅広い層のチームでの様々な連絡や報告、そして私の考え方や理論を上げて行きます。

距離を踏む事について勘違いしていませんか?

月に1000kmとか距離を踏むトレーニングは今の時代にはもう古いと言う考え方があちらこちらで言われています。量より質、走り過ぎると怪我や故障などを引き起こし、競技生活を縮めてしまうとまで…。中学生、高校生はスピードトレーニング中心の練習メニューに、大学、実業団は距離を抑えて質を高めたトレーニングへと変化しております。その結果、昔と変わらず今でも速いランナーを輩出しているようには思います。しかし、昔ほど強いランナーは輩出しているように思いません。過去の高橋尚子さんや、野口みずきさんは月1300km走ったそうです。高橋尚子さんはマラソンで11戦7勝、ベスト記録2時間19分46秒、37歳まで現役。野口みずきさんは10戦5勝、ベスト記録2時間19分12秒、38歳まで現役。お二人共、文句なく強いランナーであり、長く続けられたランナーでした。今だに勝てる日本人が現れないのも現実。他にも、過去のランナーに名ランナーがいたように、距離を踏む事に対して間違っているのだと、あからさまに言えるのだろうか。むしろ、距離は踏めるなら踏めるだけ踏む方が良いのだと私は考える。

 

要は、やり方である。硬いアスファルトでのトレーニング、長時間走れば走る程、足へのダメージが大きいのは確かである。だから、走る場所を選ぶ必要がある。そして、スピードを上げれば上げる程、着地時の衝撃が強くなるのだから、距離を踏む時はスピードを調整すれば良いのだ。ケニアエチオピアはそう言ったトレーニング環境で行っている。距離を抑えて質を高めたトレーニングに切り換えた所で、地面からの衝撃が足に強ければ怪我や故障は引き起こすのも間違いない。逆に芝生や赤土などの地面からの反発の少ない場所でのトレーニングだと、距離を踏んでも足には優しい。

 

遅筋の開発や有酸素能力を高めるトレーニングはスピードトレーニングでも開発出来るのは確かである。しかし、長い距離をじっくり踏む方がそれらの能力が伸びるのも確かである。そして、安定感は距離を踏んで身に付くものだ。

 

有酸素能力は簡単に身に付くものではない。時間を掛けて身に付くものだ。そして、成長期で体の成長と共に伸ばす方が伸び率が高くなる。だから、小さなうちから伸ばす方が得策なのだ。

 

今のこのやり方では、いつまで経っても世界に追いつかない。昔の走り込むやり方を全否定するのではなく、小さい時から正しい環境で昔のやり方を融合し、新しい方法へと変えていく。そう言う時代に来ているのではないだろうか。私はそう考える。