兵庫RC(ランニングクラブ)

小学生から大人まで幅広い層のチームでの様々な連絡や報告、そして私の考え方や理論を上げて行きます。

今回の世界選手権の中長距離で私が感じた事

今回の世界選手権の中長距離について、私は厳しく考えを述べたいと思っています。

まず、一番がっかりしたのは、強い弱いは別として予測と準備が不足している、つまりプロ意識の低かった選手がいた事です。今回、感染しやすいとは言え、直前にコロナウイルスに感染し出場できなかった方々がいると言う事です。このご時世、こうなる可能性と言うのは明らかに予測出来た事です。それなのに直前で感染。それも現地に入ってから…。国の代表でもあるし、国費つまり国民のお金も使われている訳なので、それを踏まえた上でのプロ意識の欠如を感じます。これ以上言うと、その方々を追い込む事になるので、ここまでにします。

さて、これまでの1500m、10000m、3000mSC、マラソンのレースを見て、海外のトップアスリートはやはり流石と感じました。1500mのインゲブリクセンやチェルイヨット、10000mのチェプテゲイ、女子のギディや負けましたがハッサン、勝負が出来ている、つまりそのレースを楽しめているように感じました。それに引き換え、日本人選手はレースを楽しめたのであろうか…。今、中長距離界を引っ張っているケニアエチオピア、そしてウガンダ。けれども、1500mのカー(イギリス)、インゲブリクセン(ノルウェー)、10000mフィッシャー(アメリカ)は白人である。必ずしも、生まれ持った体型だけで左右されていない事だけは分かる。それなのに、日本人は勝負争いすら出来ない、つまりレースにならないレベルなのです。きっと、心の底からも楽しむ事は出来ないだろう。

何故、こうなるのか。

実力云々の前に、本当の意味でのプロ意識を持つ選手がいないからだ。ここがあれば、わずかのチャンスに遭遇する選手もいたはずです。まず、日本人はここを強く持つ事から始めるべきである。ここを持つ事で、全ての競技に対する考え方が変わるはずです。そして、負けて仕方がないと言う思いを1ミリも持たなくなるだろう。強くなる為に、勝負する為に、勝つ為に、何をすればを考え、貪欲に知識を吸収し、貪欲に外の世界へとチャンスがあれば進んで行くに違いない。そこに迷いは無いはずだ。トレーニング拠点であったり、海外レースであったり。そこが、日本人選手は弱いのである。だから、欧米選手のようには行かないのだ。良きも悪きも日本は島国。国を愛し、個性を表に出す事を嫌い、周囲との輪を大事にし、そこをはみ出さないようにしたがる。仲間意識が高いのもその一つだ。日本に駅伝が根付き、個人よりチームを大切にする、そこに居心地を感じ、そこから抜け出さないのもそこからであろう。日本人何位と言う言葉が出るのも、またそこからであろう。

しかし、それが日本人を弱くしているのだ。

日本人は世界でレースが出来ない程、今は実力が無く弱い。それを認めた上で、己れの力を伸ばす事だけを考える事だ。その為には…をもっともっと真剣に考え、前へ前へ、国に留まらず海外へと。

そうすれば、いつかは海外との実力の差が近づき、勝ち負けまではいかなくてもレースが出来るようになるはずだ。

その為にも、本当の意味でのプロ意識を持つ事、それが一番必要なのだ。

今回の世界選手権で、日本人のそこの欠如を実力云々の前に一番私は感じた次第です。