こんな言い方をすれば語弊が生まれるかもしれませんが、駅伝が日本の長距離の発展を妨げているように私は思う。
駅伝はチームみんなで喜怒哀楽を共有が出来る競技です。なので、目指す大会に向けてそれぞれに様々なドラマがあり、メディアも取り上げやすい。そして、メディアが大きく取り上げるので、チームである学校や団体が力を入れる。
特にここ数年は、箱根駅伝を筆頭に過熱さが増している。
そして、それだけ大きく取り上げるが為、個人が目指すのがインターハイやインカレよりかは駅伝のメンバーに入り、そこで入って結果を出す事が大きな目標になっているように思う。
駅伝が駄目だと言う訳ではありません。
年間のシーズンを通して、ほんの一時、みんなで協力したレースと言う事で駅伝を走るのなら…。
でも、陸上競技はあくまで個人競技。それがメインになっては絶対にいけない。
ここで、本題に入ります。なぜ、駅伝が日本の長距離の発展を妨げているか。
陸上競技は個人競技です。仲間はもちろんいるのですが、記録やライバル達に勝利する為に、自分をとことん追い込み、勝利に執着し、ストイックに成らなければいけない。
だから、東アフリカの選手は環境や体型が良いだけでなく、生活する為にハングリーである事が彼らを強くしているのです。
上を目指すからには、まず一番最初に身近なチーム内でトップを目指さないと行けない。最初からその意識がないと、まず日本の頂点には永久に辿り着けず、世界で対等に勝負できる事は一生無い。
世界と戦うとは、それだけ厳しい世界。
しかし、今の日本は個人も団体もメディアも、そしてスポンサーも駅伝中心に回っています。駅伝は華やかで、憧れとなり、そこを目指す事が目標となってしまいました。
だけど、駅伝はチーム内で一番でなくても出れるのです。チームの他のメンバーが速ければ、自分が遅かったとしても優勝も可能です。チーム全ての選手の誰一人もが区間賞を取れなくても優勝出来得るのです。日本100傑に入れなくても駅伝では全国出れるしね。
つまり、厳しいトレーニングはしていても心のメンタル的には甘えが生まれているのです。
そんな環境のもと、個人競技で心も体もストイックに追い込んだ世界のトップ選手と戦えると思いますか?
駅伝を目指した先の延長線上に世界を見据えれば良いと言う考えの方もおられるでしょう。でも、世界のトップランナーは最初からチーム内、そして国内でトップを目指し、世界で戦う準備をしている。そんな緩い考えでそんな選手達と戦えると思えますか。
陸上競技、その中で長距離種目と言う個人競技をやる上で、チーム内のメンバーに入るだけを目標にするのでは無く、先ずは叶う叶わないは別として、チームでトップになる事を目標にトレーニングに励んで下さい。そしてそれが達成すれば、その先、そして更にその先のトップを目指して競技に取り組んで下さい。
そうする方が増えれば増える程、世界のトップランナーと戦える選手が現れるチャンスが来るのでしょう。
しかし、今の駅伝中心のこの歪んだ日本陸上競技長距離界、まず無理でしょうね。