エネルギーの観点から競技を見ますと分かる事があります。エネルギー回路は、現在立証されているのは3種類。無酸素系と呼ばれるATP-CP系、解糖系、そして有酸素運動の酸化系。
人それぞれに誤差は有りますが、ATP-CP系で約10秒、解糖系で約1分、それ以上は酸化系と、1回の運動で使えるエネルギー量は特にATP-CP系と解糖系では限られて来ます。
要するに1分以上走る競技で無酸素系の比率を酸化系が上回る競技、つまり1500m以上においては、その能力を高める事が重要になって来ると私は考えます。
有酸素運動を高めるのに指標とされるAT値、そのATレベルを高める為のAT走やその前後のペース走は1500mでさえも必要だと私は思っているのです。
いかに高いペースをAT値レベルに下げて来るかが、ラストでの余力と爆発力を産み出すのだと考えるからです。
1500m世界歴代選手は、5000m以上もハイレベルのタイムの持ち主です。
1位 ヒシャム・エルゲルージ
5000m 12分50秒24
2位 バーナード・ラガト
5000m 12分53秒60
3位 アスベル・キプロプ
世界クロスカントリー選手権 ジュニア8km 優勝
4位 ヌールディン・モルセリ
5000m 13分03秒85
8位 アブデルアーティ・イギデール
5000m 12分59秒25
9位 モハメド・ファラー
5000m 12分53秒11
10000m 26分46秒57
9位 ロナルド・ケモイ
5000m 13分16秒14
10000m 27分33秒94
もちろん、1500mはスピードを産み出すランニング技術、そしてラストスパートでのスプリント力も必要ですが、それと同時に酸素運搬効率を高め、AT値レベルを高める事も必要だと考えてます。
インターバルやレペティションなどでも鍛えられない訳ではないですが、AT走やAT前後のペース走がより効果的だと考えます。